2014年12月09日

ベストセレクション2014 その1

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早いもので、2014年も残すところあと3週間とちょっととなりました。

と、いうことで、今月は今年1年間の記事のなかから、わたしが特にお伝えしたい内容のものをピックアップしてお届けします。(記事は若干の修正を加えています)

題して「庄司メルマガ・ベストセレクション2014ちょこっと修正編」です。



では、どうぞ!



●こんなミーティングって・・・



わたしはクライアント企業のコンサルティングがスタートすると、まず営業ミーティングを見せてもらいます。



ミーティングのやり方を見れば、マネジメントのレベルがわかるからです。



これまでの経験からいうと、残念ながらほとんどの会社がまったく意味のないミーティングをやっています。



たとえばこんな感じです。



上司「はい、じゃあそれぞれ先月の結果を報告してください。まずAから」



営業マンA「はい、残念ながら先月も目標達成することはできませんでした。」



上司「う〜ん、まただめかあ。なんでいかないんだ?」



営業マンA「はい、先月は現状を打破するために、あらたに○○業界へのアプローチを強化したのですが、残念ながら思ったほどの反応がありませんでした。」



上司「それで、今月はどうなんだ?」



営業マン「正直言って、今月も引き続ききびしい状況です。」



上司「それで、どうするつもり?」



営業マン「はい、ただそうは言ってもやるしかないので、気合を入れなおしてさらに行動量を増やして目標必達でいきたいと思います。」



といったやりとりが数人の営業マンと行われ、言いわけのヘタな営業マンは餌食として怒鳴られたりします。



そして、最後に上司から



「とにかく、みんな気合を入れなおしてくれ。このままじゃほんとうに会社はきびしいんだからな!」



などと激がとばされ、みんなが深刻な顔で席を立つ。



こんなミーティングを毎月毎月くり返しています。



これ、どう思いますか?



こうやって文字に起こしてみるとよくわかりますよね。

いかりや長介じゃあないけど「だめだ、こりゃあ」ですよねえ。



では、このミーティングのどこがダメなのかわかりますか?



はい、そうですね



なにひとつ具体的な策について話されていないんです。

すべて抽象論、精神論で終わっているのです。



ちょっと見ていきましょう。



「アプローチを強化した」ってなんですか?



強化したっていうのは、トークやツールを変えたり新しく作ったりしたのか、それとも行動量を増やしたということなのか、もし行動量を増やしたという意味なら、今まで何件だったのを何件に増やしたのか?



「思ったほどの反応がなかった」と、言ってますが、思ったほどの反応ってどのくらいの数値を期待していたのでしょう?

それに対して実際はどのくらいで終わったのか?



「さらに行動量を増やす」って、どのくらいからどのくらいに増やすのか?増やすことでどんな結果を想定しているのか?



たったこれだけの会話の中ですら???がいっぱいなのです。



この上司と営業マンのやりとりに隠された本音は



営業マン「がんばってるんですけど、売れないんですよ。どうすれば売れるのか教えてくださいよ!」



上司「おれだってわかんないよ。だけどおまえらがやるしかないだろ、なんとかがんばれよ!」



と、言ってるわけです。



びっくりするほど多くの会社がこんなミーティングをやっています。

じつは、こうしたうわべだけのミーティングは、意味がないだけでなく参加者全員に無力感を感じさせてしまいます。



いっそのことみんなで飲みにでも行ったほうがよっぽどましです。



なぜ、こんなことになってしまうのか?



これは、すべて途中のプロセスを把握する仕組みがないために起こる現象なのです。



わたしはこのようなミーティングを「責任追及型」と呼んでいます。



前回お話ししたように「成長市場」の時代には、責任追及型のミーティングでもなんとかなりました。



行けば売れたからです。



しかし、複雑化した成熟市場では、もはや通用しないのです。



では、成熟市場ではどんなミーティングをすればいいのか?



成熟市場で必要なのは「問題解決型」のミーティングです。



プロセスを把握する仕組みをつくって、全員で検証しながらつねに改善策を立てて実行していく。



そういうミーティングをするために必要なのが、リーダーのマネジメントスキルなのです。



営業マンに激をとばすよりも、リーダーであるあなた自身のマネジメントスキルを身につけることが、ほんとうの問題解決につながるのです。



リーダーのあなたしだいで、チームは変えられるのです。

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2014年12月01日

クライアントさんのスピーチ 2/2

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前回に続き、日本経営合理化協会主催のセミナーにゲストとして話をしてくださいましたわたしのクライアントで某通信大手企業のYさんのスピーチから抜粋してお送りしています。


Yさんは、

・良い顧客の奪い合い

・会社に入る美味しいネタ情報の取り合い

・真面目な人が地道にがんばっても報われない

・若手が辞める

という負のスパイラルから、どのようにして抜け出したのでしょうか?



Q.コンサルティングがスタートしてはじめに取り組んだことはどんなことですか?



A.はい、庄司さんからはじめに言われたのは、「とにかく現場で起きていることを営業マンからよく聞くこと」でした。



あたりまえのことに感じると思いますが、そんなあたりまえのことすらやっていなかったんですね。結果だけ聞いて叱咤激励することしかしていなかった。

「なぜ、そうなったのか?どうすればもっとうまくいくのか?」については、まったく話をしていないという恐ろしい事実に気がつきました。(笑)



営業マンの話をよく聞くと、まだ結果には結びついていなくても彼らなりに工夫しているところが見えてくるんですね。たとえば、お客さんと話ができなくても今使っている設備を必ず確認してメモをしてきている人がいたり、お役立ち情報を自分で毎月作っている人がいたり。

そういう、小さな努力や工夫をしっかり取り上げてほめる。

その上で、他のメンバーとも共有して、チーム全体の成果に結びつけていく。



そんなことが、本来のリーダーの役割なんだと教わりました。



Q.どんな変化がありましたか?



A.営業マンとの信頼関係ができてきたことが何よりも大きいと思います。

とくに若手が元気になりましたね。動きが見ちがえるようによくなりました。



営業マンに現場で起きた"いいこと"を発表してもらう「ヒーローインタビュー」や、契約が取れた営業マンに「ありがとうメール」を送るようにしたことで、「見ててくれる」という安心感を持ってくれたのではないでしょうか。

今までは、「やれやれ」言うだけで、ほめたり感謝したりということを言葉にしていいなかったですね。

それにともなって、低迷していたチームの業績がものすごく上がって来ています。

  

もうひとつは、プロセスに焦点をあてて明確な目的を持つようにしたことだと思います。

今までは契約が取れたかどうかの最終結果しか見ていませんでしたが、今はプロセスで管理出来るので、途中経過について話ができるようになりました。



誰がどこのステップで躓いているか、データを見ればすぐにわかるので非常に有効なマネジメント方法です。

プロセスに分解すると、それぞれに弱いところがちがうことがわかり、各営業スタッフ毎にていねい、的確に指導していくことが重要なのだと理解できてきました。



たいていの会社は日報のような管理帳票があっても結果しか見てないから活用できていないケースが多いと思います。



答えは プロセスにあります。



また、チームで弱い部分と強い部分を協力して改善して行くことで、個人のスキルに依存しなくても結果が出せるノウハウが分って来たことは大きな収穫です。



あるチームでは朝、今日のステップまたは目的を明確に発表するようにしたりして意識付けすることで、今まではすぐに取れる案件の報告しか出してこなかったのが、現在進行中の案件の報告も出てくるようになり、可能性の高い案件に対しては事前にロープレをすることも定着してきました。



特にスキルの低い人へのその日の案件へのフォローが効果絶大で、契約数を大きく増やすことができたのです。



Q.今回の結果 目標の達成について 

コンサルティングを受ける前は、年間目標の達成は厳しいと予測していましたが、結果的に対前年125%で年間目標を達成することができました。

スタート時の4〜6月は対前年90%だっとことを考えれば脅威的な変化で、当初の見込みよりも10億以上売り上げがアップした計算になります。



はじめは、コンサルフィがちょっと高いかなと思ったのですが(笑)まったく問題ありませんでした。

それどころか、庄司先生のコンサルティングは、契約が終了したあとも自分たちで売り上げを上げ続けられるノウハウを教えていただけるので、ほんとうにお薦めです。



我々と同じことで悩んでいる会社は山ほどあると思います。

わたしたちは、マネジメント次第でチームは変えられることを身をもって教わりました。

みなさんも、なんとか1年がんばってマネジメントのスキルを身につけて、今の悩みから抜け出せることを願っています。



今日はありがとうございました。
posted by shouji at 16:23| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月18日

クライアントさんのスピーチ 1/2

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先日、11月6日、日本経営合理化協会主催のセミナーに講師として登壇させていただきました。

去年に続き2度目の参加となった今回は、なんとわたしのクライアントのYさんが、ゲストスピーカーとして話をしてくださいました。

Yさんは、社名を聞けば誰でも知っている超大手企業の営業企画課長ですが「庄司先生に教わったことを、たくさんの人に伝えてゃー」と言って、わざわざ休みをとって名古屋から駆けつけてくれたのです。



その熱い内容に、100名近い参加者のみなさんの多くが共感していただいて、20冊ほど置いていたわたしの著書も完売してしまいました。



今回は、そのスピーチの内容を抜粋しておおくりします。



Q.どんな悩みをお持ちだったんですか?



A.はい、わたしたちの会社は図体はでかいのですが、社員がじょじょに高齢化してきて動きが鈍くなって新規開拓営業がむずかしくなってきていました。これでは競合他社にどんどん顧客を取られてしまいます。そんな状況を打開するために各エリアに20か所ほどの別働隊をつくったのです。

マネジャーやリーダークラスは本社からの出向、営業マンは現地で採用しました。



はじめは本社から実績のある社員を呼んできて2〜3年は売り上げが上がっていたのですが、実はそれも顔なじみのお客様に販売していただけでした。



結局、新しい人に新規開拓のノウハウを教えられる人はおらず、現場では

良い顧客や会社に入る美味しいネタ情報の取り合い→真面目な人が地道にがんばっても報われない→ 若手が辞める

という悪循環にはまっていきました。



Q.これまでにも研修やコンサルティングを受けたことはありましたか?



A.はい、研修やコンサルティングはいろいろ受けましたが、すべて個人の営業スキルについてのものでした。

コンサルタントの先生が同行してくれて、いっしょに営業してくれるというスタイルです。

一時的には売り上げが上がるのですが、ノウハウが組織で共有されることはなく、新人が育たず、売れない人はいつまでたっても売れないという状況は変わりませんでした。

そんな状況でも、わたしやマネジャーたちは「とにかく件数を回れ!」と叱咤することしかできませんでした。



しだいに上司と部下の信頼関係も崩れてしまい、喫茶店でたむろしたり、家で寝てたというような酷い営業マンも出てくるようになってしまいました。



今までお付き合いの有った先生では限界があるのではと感じ始めていました。

そろそろ組織として根本的な解決策を打たないと大変なことになるのではないかという思いが強くなっていきました。



そんなときに庄司先生のことを知ったのです。



Q.最初の印象はどうでしたか?



A.はじめてお会いしたときに、うちのカラーとはまったくちがったノリと雰囲気にものすごく期待が高まりました。もちろん、まだ半信半疑でしたけど(笑)

「営業はチーム戦で」という言葉に、ものすごく興味を惹かれました。それがどういうことかはまだ分かりませんでしたが、何か得も知れぬ期待感を感じたのです。 



最初のマネージャー研修で

「みなさんのやってることは30年前のやり方ですよ。」

と言われたときは、まさに頭をハンマーで殴られたような衝撃でした。



問題は営業マンではなく、マネジメントのやり方にあるとはっきり感じました。

我々は大企業での長い生活の中で、上の人が黒と言えば黒という習慣になってしまっていた、理由が分からなくても従順にやる、それが当たりまえになっていたのです。



ところが、中途で入ってくる営業マンたちは、習慣も経験もまったくちがう人たちです。

そんな人たちに対して、頭ごなしの命令は通用しないということを思い知らされました。




そんな我々に、先生がまず教えてくれたのは

「何かをやるときは、目的をはっきりと伝えること」でした。

リーダーの基本スタンスは「ほめる 励ます 話し合う」だと教えられたときも、理由を言わずに急にほめたので営業マンにかなり気持ち悪がられたりしました(笑)



教えていただくことに強く共感するものの、今迄の習慣や考え方を変えるのはものすごく苦労しました。

定例ミーティングを開催するだけでもすごい反発があって、その説得だけでも2ヶ月もかかかってしまいました。

力のあるベテラン営業マンが裏で小ボスとして君臨していて、マネージャーが気を使っているような状態だったのです。



そんな状況をなんとかするために日曜 朝の5時等早くから3時間、質問や状況を庄司先生に真剣にメールでやり取りしました。非常に長文のやり取りに対応頂き感謝しています。先生の休日をかなりつぶしてしまったと思います(笑)



次号に続く

posted by shouji at 16:08| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月11日

大手企業のリーダーのみなさんへ

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今回は、以前にわたしがクライアント企業のリーダーたちに送ったメールの内容をお送りします。



この会社は、誰でも知っている大手企業ですが、多くのリーダーが、新規開拓のために中途採用で入った社員たちとの関係がうまくいかずに悩んでいました。



そこには、大企業病ともいえる原因があったのです。



☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



○○株式会社 営業リーダーのみなさんへ



メンバーをイキイキと動かすためにもっとも大事なことは

「何のためにやるのか?」

つまり、目的をしっかりと伝えることです。
たとえば、コピーをたのむときでも、ただ「これ、コピー取っておいて」と言うのと
「これ、大事なお客さんへのプレゼン資料なんだけどコピーたのむね。」と伝えるでは、たのまれた人の行動に大きな差が出ます。




何のためにコピーを取るのか?がわかっていれば、

「あのお客さんが決まれば今月のチーム目標が達成できるはずだ。よーし、会社の印象

をよくするために、端をきっちりそろえて、ホチキスも曲がらないようにしっかり止めよう」

と、主体的な行動が取れるようになり、工夫の余地も生まれます。

主体的な行動は、必ず「いい仕事」に結びつきます。

その仕事に対して、 

「すごくきれいにコピーしてくれてたね。おかげで、お客さんの評価も上々だったよ。きっと契約になると思うよ。助かった、ほんとにありがとう。」

というように、しっかりと結果の報告と感謝の気持ちを表せば、メンバーとのあいだに連帯感と信頼感も生まれます。

もしも、「これ、コピー取っておいて」としか言わなかったら、相手は「なんだよ、めんどくさいなあ。コピーぐらい自分でとればいいのに」としか思わなかったかもしれません。

コピーひとつとっても、「何のためにやるのか?」をしっかり伝えるだけで、これだけ結果に差が出るのです。

しかし、組織で仕事をしている多くの人がこんなあたりまえのことを忘れてしまいます。

それはなぜか?

組織では、いちいち「何のためにやるか?」なんて説明しなくても、上司が「やれ」と言えば、部下はやらざるを得ないからです。

組織が大きくなればなるほど、そこには厳密なヒエラルキーが存在して、役職による上下関係は強くなります。

会社が決めた上下関係があれば、とりあえず人を動かすことはできてしまうのです。

このことが、本来、人を動かすために必要な「何のためにやるのか?」を説明するという作業を忘れさせてしまいます。


もちろん、上司に言われれば部下は動くでしょう。

だけど、

「意味もわからずに仕方なく動く」のと、「目的をしっかり理解して主体的に動く」のでは、仕事の質に雲泥の差が出るのはあたりまえのことですよね。

優秀なリーダーは、チームで何かに取り組むとき、人を動かすときには、まず「何のためにやるのか?」を説明することに、ものすごいパワーをかけます。

事前に、説明の仕方や言い回しをしっかり考えて、メンバーが不安や疑問に思いそうなことをあらかじめ想定して、質問に対する答えも準備してからメンバーに伝えます。

あたかも大事な顧客にプレゼンに行く前のように入念な準備をします。

伝えている最中も、メンバーが理解できているか、納得しているかをしっかり見きわめながら、納得が不十分なようであれば言葉を足したり、納得いかない部分を聞き出したりして、メンバーの目が、確信で「キラッ」と輝くまで説明する努力をします。

「そんなめんどくさいことを」と思われるかもしれませんが、それが逆なのです。

これをやっておくで、あとが圧倒的にラクになるのです。

上司に言われたから仕方なくやる場合は、「めんどくさいなあ、まあ怒られない程度にやっておけばいいや」という意識が働きます。
このような仕事は、当然ながら「いい仕事」に結びつくことはありません。

しかし、「何のためにやるのか?」を理解して、自分の役割に納得して目が「キラっ」と輝いたメンバーは、その目的に対して積極的な貢献をしようと、自ら動き始めます。

「これ、こんなふうにしてみたらどうでしょう?」
「こんなやり方って、ありですか?」

などと、まかせておいてもアイデアがどんどん出てきて、最終的には、期待以上のびっくりするような成果を上げることがよくあります。

そのときのリーダーの仕事といえば

「うん、それはいいね、やってみて」とか「ああ、それはおもしろいアイデアだけど、ちょっと目的からずれるから少し修正が必要だな」とか、メンバーの作業の調整をしていくだけです。

人は「共通の目的」を持った仲間たちとともに働き、チームに「貢献できた」ことに、ものすごく喜びと誇りを感じます。

この感覚をつかんだチームは、何をやるときでもその快感を得たくて自発的に動くようになるのです。

メンバーが最高のやりがいをもって動き出せるように

「何のためにやるのか?」

を、意義とワクワク感をもってしっかり伝えられる力が、リーダーにとって、ものすごく重要なスキルなのです。



ぜひ、意識して動いてみてください。



庄司 充

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2014年10月27日

社長が自分でやらなければいけないことと、2つの覚悟

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前回に続き、ライティング・コンサルタントの開米さんと話をしています。


開米:会社が変わるためには、社長が「本気で信じられる、実現に全力を尽くせる」ビジョンを、「自分自身で」考え、「自分自身で」社員に語りかける必要があるそうですが、そこに至るまでの間に「ついつい今までの習慣で、ダメなやり方をしてしまう」ことがあるというのは、具体的にどんなものなんでしょうか?

庄司:「ダメなやり方」の典型的なのは、なんといっても「丸投げ」ですね。人に振っちゃうんですよ。お前これやっとけ、と、人に振っちゃう。

開米:たとえば誰に振るんですか?

庄司:そこで出てくるのが「ダメなイエスマン」型のマネジャーです。
社長が頑張って、どうやら「ビジョン」らしきものを考えたとしても、それを社員に語る段階でマネジャーに丸投げしちゃうんですよ。すると「ダメなイエスマン」型のマネジャーはそれをそのままコピーするみたいに現場に伝えてしまう、と・・・

開米:ああ、こういうタイプいましたねえ。「教祖様のお言葉を下々に伝える教団幹部」みたいなマネジャーさん。お前は伝書鳩かテープレコーダーか! と言いたくなる感じの

庄司:そうそう、それです。社長自身には自分の創業時の原体験もありますから、本気で信じているビジョンだったとしても、マネジャーにはそれはわかりませんから、言葉が劣化コピーになっちゃうんですよね。これじゃ現場には伝わりません。

開米:そういうの、現場の人間としては「上の方で何か言ってるな〜。また何か浮ついたこと思いついたんだろうな〜」ぐらいの感覚で聞いてましたね。

庄司:そうでしょう? 丸投げするとどうしてもそうなっちゃうんです。だから、それじゃダメです、と。社長が現場に降りてきて、社員に語りかけてください、と、私がコンサルに入るといつもそれをうるさく言います。

開米:社長が直接、現場の社員に語ったとしても、簡単じゃないんですよね?

庄司:大変ですよ。最初のうちは「ポカーン」とされるだけです。でも、社長が自分の体験をもとにして本気で信じているビジョンだったら、少しずつ伝わるんです。

開米:でもそれは丸投げしちゃダメ、と。

庄司:はい。まあついつい丸投げしたくなるのはしょうがないんですけどね。本来、会社がある程度大きくなってきたら、社長が現場のマネジャーの仕事してちゃいけないので、「細かいところはお前に任せた」で現場に振っちゃうのが、あるべき姿ですから。

開米:そうですね。でもこの場合に限っては・・・・

庄司:はい、会社を建て直すために、「俺たち全員であそこに行くぞ、こんな会社になるぞ」というビジョンを考えて、それを全社に浸透させよう、というこの段階では、丸投げしちゃいけないんです。社長が自分でやらなきゃいけない。

開米:大変ですね。

庄司:大変ですよ。で、これをやるためには、社長に2つの覚悟が必要です。

開米:2つの覚悟?

庄司:はい、1つは、そのビジョンが示すところに「社員全員を連れて行く」という覚悟です。一人も見捨てない、みんなで行くんだ、という覚悟です。

開米:なるほど、会社がチームとして機能するようになるためにはそれが必要ですね。市場で戦う前に社内で内輪もめしてたら、勝てるわけがないですからね。

庄司:はい、そして2つめは、1つめと矛盾するようですが、「一人になっても行くんだ」という覚悟です。

開米:一人になっても・・・・

庄司:そうです。ビジョンというのは、世の中に価値を提供するイメージです。この仕事はお客さんに役に立つ、価値ある仕事だ、だから俺はやる、たとえ一人になってもやる、という、そういう覚悟があって初めて、それに共感する社員が出てくるんです。

開米:なるほど・・・・いや、実は私も・・・・

庄司:何ですか、何かありましたか?

開米:ある人がそういうビジョンを語るのを聞いて、ぐぐっと来たことがありました。これを実現したい、と本気で願っている人がいると、思わず自分もそれに何か協力できないか、と思っちゃうんですよね。

庄司:そこなんですよ。それにはやはり「一人になってもやる」という覚悟が必要で、それがあると共感してくれる社員が出てくるんです。

開米:なるほど! いや、よくわかります!

庄司:ということで、「丸投げしてはいけない」という最初の話に戻ります。さっきも言いましたけど、本来、会社がある程度大きくなってきたら、社長は現場の仕事をしちゃいけません。でも、この件に関してはそうじゃないんです。会社のビジョンを社員に語るというのは、社長にしか出来ない仕事です。だからここはダメなイエスマン型マネジャーに振っちゃいけない。自分でやらなきゃいけない。そこは常に気をつける必要がありますね。
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posted by shouji at 17:42| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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